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道化師パックマンの日々のことがら
自分を見つめ、他者とかかわる
ふと気がつくと8月も残りわずかになってきた。子どもの頃であれば手付かずのまま放置された宿題の山を前に途方に暮れていた時期だったと思う。今年の夏は、誰といつ会っても「暑いですね・・・」が常套句だったが、夏が大好きな自分にとっても、人間の体温に匹敵する気温がこれほど続くと少しうんざりしたのも事実だ。こんな記録的な猛暑であっても、いつしか蝉の声は聞こえなくなり、落日の時間も早くなり、確実に季節が秋に傾きつつあることが実感できる。そんな中、この週末は福岡で開催されていた第20回日本外来小児科学会のセミナーを担当してきた。この学会のセミナーを担当するのは今年で3回目のことであるが、今年は少し人数の多い枠を用意してくれたおかげで参加者の笑顔も一段とパワーアップしたような印象であった。人は1人では決して笑うことがない生き物である。(逆に1人でいる時にしか笑えない人がいたら怖いのだが・・・)
だから、相乗効果の影響はやはり大きい。会場に集った人々も入場と同時にニコニコ笑顔をしているわけではない。しかし、自分の行動パターンをいろいろな遊びの中から再発見し、さらに見知らぬ人との出会いと交流を通じて徐々に気持ちが開放的になっていくのだ。
「これが、ワークショップの効果です!」なんて本当は胸を張りたいのは山々だが実はそうでもない。確かに多少の影響はあると思っているものの、やはり笑顔になれる力は一人一人が兼ね備えたある意味でのストレングス(意欲、能力、抱負、嗜好)なのだと思う。私たちが食卓で口にする作物だって硬く冷たい大地から芽を出したりしないように、心の畑が温まり気持ちが少し緩んでこそ、笑顔は開花するのだと思う。自分を見つめ、他者とかかわることで、私たちは笑い合えるようになる。今日もまた教えてもらった。
| - | 09:39 | - | - |
暑いからこそ笑顔
豪雨による爪痕も乾かぬうちに、例年より数日早く夏本番が到来した。元来、夏が大好きな身としては「梅雨明けしたらしい」という気象予報士の頼りない言葉でも、小躍りしたくなるのだが、今年のような甚大な被害が各地で発生したときは、手放しでは喜びにくい。梅雨明けと同時に迎えた3連休は、晴天にも恵まれ、多くの家族が行楽地に出かけたことだろう。この記事も空港の待ち合わせ時間に書いているが、こうしている間も多くの家族連れがキャリーバックをゴロゴロさせながら、帰途につく様子がうかがえる。
 今回は、昨日まで東京で行われていた病児保育研究大会に参加してきた。病児保育とは、保育所や学校等に通園・通学している0歳児〜8歳頃までを対象として、発熱等のありふれた病気に罹患した際に、その病児を専門的にケアする保育実践である。冷静になって考えれば、その必要性はすぐに納得できることだが、勿論病気になっても、乳幼児には保育は欠かせない。しかし、日常的な感染症であっても、なんらかの症状が認められれば一般保育所は通所することが困難になる。この問題を解消してくれるのが、病児保育だ。この大会では、ワークショップをさせていただいたのだが、さすがに日頃から子どもと遊びという共通言語を持っている看護師や保育士が多いためか、会場内は大いに盛り上がって、笑顔があちこちではじけていた。自然な笑顔というのは、顔の表情筋を緩ませて、歯を見せて、アハハハ・・・とすれば良いというものではない。真の笑顔とは、人と人が心穏やかにふれあうことにより、もたらされる人間的な作用なのだと思う。じっとしていても暑い夏だからこそ、身も心も温めてくれる笑顔に多く触れてみるのも一興だと感じた。
| - | 15:42 | - | - |
自分の根っこにあるもの
昨日は大阪市内にある保育の大学で講義をさせてもらった。大学時代、児童福祉を専攻していた身としては、幼児教育や保育に関わろうと思っている学生に向って、自分の考えを語れるチャンスはとてもうれしい機会だった。一昨夜の試合観戦(ワールドカップ)の疲れもあるから、おそらくほとんどの学生が睡眠学習になるのではないかと思っていたが、多くの人が真剣に耳を傾けてくれた。私は学校に講演に行く時、必ず自己紹介の中で「なぜ、自分が道化師になったのか?」を話すことにしている。それは、自分の原点を語ることで相手に自分の生きる姿勢を感じてもらいたいと思うからである。なぜ、道化師になったのか?そのことに対する回答は2つ存在する。1つは『子どもの頃からの憧れ』というものだが、これは、インタビューに対して、当たり障りのない建て前を語る時の答えだ。本当の気持ちを吐露するなら、間違いなく『公然とおせっかいがしたいから』というのが自分の本音だと思っている。思い起こせば、子どもの時から、周りの人に楽しんでもらいたいと気持ちが人一倍強かった。例えばクラスメートがいつもと違ってつまらなそうにしていたり、学校の先生が暗い表情をしていることも気になって仕方なかった。つまり相手から「楽しませてくれ!!」という強烈なリクエストがあるわけではないのだから、おせっかい以外の何者でもないのである。そんなおせっかいな道化師人生もまもなく20年を迎える。長い間、いろいろな体験をしてきた気になっているが人間に例えるなら、まだようやく成人式を迎える頃である。まだまだ、学ばないことが多いと改めて思った。
| - | 21:01 | - | - |
こころとからだを看る病院
毎年この時期は、新規採用の職員研修会を担当する機会が増えている。GWが終わると全国的な傾向として、新規採用の職員研修が行われるのだが、先日職員研修を担当したT小児総合医療センターは、この春に開設されたピカピカの医療施設であった。森のホスピタルというテーマに沿った内装は、ファンシー過ぎず、かといって殺風景な印象でもなく、良質のデザイン性能を追求した造りになっているのが圧巻であった。この医療センターは前身の病院時代から、年に数回クリニクラウンとして訪問させてもらった病院であるが、開設準備室のスタッフが「今できる日本一の病院を目指します!」と語っていた意味がエントランスに立った時、納得できた。やはり気持ちのいい空間は、人の気持ちにまっすぐ訴えかける力を持っていると改めて感じさせられた。しかし、この病院に行って一番感心したのは、素晴らしい設備や、意匠ではなかった。研修の後、病院の副院長が新人職員むけて語りかけた、この病院をつくった考え方のお話が素晴らしかった。元々このセンターは自治体が経営する3つの病院が統合されて1つの医療施設になっている。そのうち2つは先天性疾患や心臓病、小児がんの治療などを専門的に行うからだを診る病院。もう1つは広汎性発達障害や統合失調症、適応障害などこころを診る病院である。複雑な人間関係が醸し出される病院という組織は、ただでさえ合併が難しい施設だと思うが、ここでは「子どものこころとからだの両方をバランスよく診る」ことに力を注いでいくという内容だった。私たちはどうしても自分の専門性や得意なことに固執し、他との融合に対して懸念を抱くことが多いが、人間はパーツを取り替えて健康を取り戻すわけではない。人間全体をトータルに看ていこうとする構想は整った施設以上に輝いてみえた。
| - | 09:53 | - | - |
車内アナウンス
人一倍移動することが多い毎日を過ごしていると、知らず知らずのうちに切符の種類だったり、便利な経路だったり、駅(空港)の構造などに詳しくなっていく。したがって、日常会話の中で思わず交通手段の話題になったりすると、やけに力説している自分がいたりする。そんな時には「塚原さんって、乗り鉄でしたっけ?」と真顔で質問されたりもするのだが、実際にはそういった趣味というより、単なる頻度の問題だと思っている。
先日、在来線特急から新幹線に乗り継ぎ列車で移動していた時にふと感じたことがあった。
山間を走るその路線の特急列車は時折、雨や風の影響を受けて遅延をするのだが、この日は最終列車だったこともあり、もし特急が大幅に遅れ新幹線に接続しなければ自動的に帰宅不可能となってしまう状況であった。まあ、そうなったら仕方ないと寛大に構えていたいのは山々なのだが、次の日も日程が詰まっていたのでなんとか家に辿り着きたい気持ちがあった。そんな時、普段はあまり気にしない車掌さんのアナウンスがやけに気になった。いつもなら聞き流しているアナウンスもこちらが受けるリスクによっては大きく影響力を持つことをあらためて知ることができた。また、何度聴く耳を立てても、車掌さんは遅延したことを車内アナウンスでお詫びするばかりで、この列車が新幹線に接続するかどうかは一切触れようとはしてくれない。そんな時に気がついたことが、サービス提供者と受給者のニーズのズレである。つまり、私たちは次の列車に乗れるかどうかが最大関心事なのに、車掌さんは自分が担当している列車の遅れを謝罪することが最優先の業務になっているということである。したがって「この列車は只今○○分遅れています。誠にすいません」を連発されても、この先も移動を続ける乗客の不安解消にはつながらないということである。列車の遅れなんて個人に責任追及してもどうにもならないことである。だからこそ、トラブルを何度も詫びるよりも、これからどうなりそうだということを考えるほうが遥かに重要な配慮ではないだろうか。そんなことを考えながら、自分も同じようなことをしていないか?人の振り観て、我が身を直すことの重要性を再確認した。
| - | 07:24 | - | - |